車椅子で歩行訓練
玄関前で夕日を浴びる
2015年9月初旬、待ちに待った車椅子が手に入った
とは言ってもアルタひとりで車椅子に乗ってどんどん歩き回れるわけではない
二輪のものと違って四輪は自分で進む方向を定めにくいのでずっとつきっきりである
ヤギは犬と違って歩くことを楽しむわけではなく
何か用事があって歩いていくのであり、用事というのは大抵食事のことだが
アルタも食べたい植物に向かって突進し、しばらくそこで食べ、ちょっと移動しては食べることを繰り返す
二時間ほど外に出ても歩いた距離は50mにもならない
これでは思っていたような歩行訓練にならない
これでいいのか、と悩む
歩き方もおぼつかない
後脚の蹄がうまく返せずひきずるせいで踵が変なふうにすり減っていくので
アスファルトの道を歩くのはやめ土のやわらかい農道や林道をいくことにした
朝10時頃車椅子に乗せ夕方5時頃降ろすまで
二時間ほど野原へ出て草を食べたりよたよた歩いたり、それ以外は車椅子に乗ったまま玄関前にいてもらい立っている
はじめの頃は車椅子を固定しなくてもおとなしくじっとそこにいて前に置いた干し草を食べていた
だいたいそんなスケジュールで毎日は過ぎていった
時には両親ヤギを連れてきたりもした