立てない、歩けない
駆虫薬の注射を受けたにもかかわらずアルタの足腰の状態は思わしくない
2度目、3度目の注射を受けても良くなるどころか
7月下旬にはついに立ち上がることができなくなってしまった
最初の異変から10日足らずの間のことである
早期に治療を受ければ軽症で済むとヤギの本に書いてあったのに
早期に見えたがもう手遅れだったのかとひどく落ち込んだ
アルタと母親の小屋。父ヤギはもう一つの小屋にわかれて暮らしていた
アルタは 夜この小屋で寝て日中は外で草を食べる生活をしていたが
立てなくなり、糞尿で体が汚れるようになってしまってはもうここでは世話ができない
アルタは生まれてから母親と離れたことがなくまだ乳も飲んでいるのに可哀想だが
思い切って母親と離し、人間の住む母屋の中へ入れることにした