暗中模索

B獣医師が言う

「寝たきりにせずに立たせる訓練をしてください」

筋肉が衰え、食欲・気力がなくなるとやがて衰弱し死んでしまうという

助かった例はあるのか聞くと

「幼稚園で飼われていた大きなオスのヤギがいましてね」

「先生方が交代で寝返りをうたせたり、体が重いからわたしが滑車を作ったりしてね」

「それでも一年ほどは持ったんです」

…結局死んだのか!

立たせるといっても大型犬(25kg)ほどあるアルタをどうすればいいのだ

B医師は産業獣医師なのでペットとして飼われていたヤギは件の幼稚園のものしか知らず、牧場のようなところのヤギは安楽死させることがほとんどだという

暗澹たる気持ちでネットを漁ったがリハビリのヤギの画像で参考になるものはなかった

 

 

当時の私は腰麻痺について犬の変性性脊髄症のようなイメージを持っていた

このまま全身に麻痺が進んで死に至るといったものである

しかしB医師が言うには食欲減退などは腰麻痺の症状ではなく二次的なもの

生きる気力を失わせなければ回復も見込める、という

 

ならば一日たりとも寝たきりにはできないと焦り、とりあえず大型犬用のフルボディハーネスといったようなものをネットで注文した

これを着けて肩にかけて持ち上げながら一緒に歩く練習をしようと考えたのである

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写真は2015年10月末の歩けるようになった日のアルタ

体が大きくなりハーネスはきつきつ

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